教育社会学キーワード(人物名編) 東大大学院入試対策

用語説明問題で出題される人物名と関連概念を記載しました

東京大学大学院の教育学研究科比較教育社会学コースの入試には用語説明問題があります。
これまでの出題傾向では、A,B,C群でそれぞれの群に3つ単語が出題され、
各群1つ用語を選んで記述します。(10点×3)
各群は調査手法系、学術領域に関する人物名、学術領域に関する概念、
にカテゴリー分けされています。
用語説明問題は用語を知っていれば回答できる貴重な得点源なので、
ぜひ押さえておきたいところです。
ここでは人物名関連のキーワードを記載しました。
｢▼｣ボタンを押すと説明文が表示されるようになっているので1問1答形式で試験直前まで活用してください。
“既出”という表現は過去の入試で出題されたものを把握している範囲で記載しています。
人物に関連する概念もあるので、
別記事の教育社会学キーワード集とかぶっている部分もあります。

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教育社会学キーワード東大大学院 入試 用語説明対策

東京大学大学院の教育学研究科比較教育社会学コースの入試では 専門科目で用語説明問題が出題されます。 教育社会学、比較教育学、高等教育論に関連する理論や学説の他に、 調査手法・統計に関する用語、学術に関連する人物名が出題されます。 30点分という決して無視することのできない配点であり、 かつ用語説明は覚えていれば回答できる得点源です。 ここでは主に教育社会学に関連するキーワードを中心に、 ...

用語説明問題全体で30点と決して無視できない配点です。
しかし東京大学大学院の入試にはこれ以外にも
英語、論述、研究計画書、口述試験(面接)があります。
これらの対策も効率的に進めなければなりません。
東大大学院入試対策全般については
アラフォー社会人で東大大学院に進学した私の経験をもとに
noteにて限定公開しています。

【3万字】0から始める社会人の東京大学大学院入試対策(教育学研究科)｜チャロ@超高齢社会の案内人｜note

この記事では知識ゼロの状態のアラフォーで保育園児育児中（フルタイム勤務）社会人の私が東京大学の大学院(教育学研究科・比較教育社会学コース)の入試を受験し合格した経験をもとに、同じように社会人で大学院の進学を考えている人の入試対策の参考になるために書いています。 ・合格までのスケジュール ・利用した参考書 ・勉強方法・試験対策 ・論述問題・小論文の模擬試験解答＆研究計画書フォーマットサンプル ...

エミール・デュルケーム

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フランスの社会学者であり教育社会学の父祖となる学者である。
著書：『自殺論』、『教育と社会学』など
提唱＆ワード：
●「アノミー」：社会の規範が弛緩・崩壊することなどによる、無規範状態や無規則状態を示す言葉
●機能主義
ある社会現象が継続して観察されるということは、その現象が社会に対して何らかの機能・働きを果たしていると考える。犯罪が起こり処罰感情が共有されることで、社会は規範性を共有しむしろ以前より連帯を強める。犯罪は社会の凝集性を高める機能を果たしている。
●教育とは先行世代が後続世代に対して行う方法的社会化である。教育は民族類型型の一要素であり、その民族に固有で、道徳的政治的宗教的組織と同一資格においてそれぞれの類型を規定するのに役立つ教育を有している。教育制度は基本的には社会制度に依存するものと考える。

タルコット・パーソンズ

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20世紀アメリカの社会学者。構造機能主義の代表的論者。AGIL図式として知られる行為システム論を提唱し、社会全体を構造機能的な理論で説明しようとした。
●構造機能主義
近代では性別に役割分担をする核家族となり、父親は労働から賃金を得て家族目標を達成する営為を行う「道具的役割」があり、母親は夫や子どもの世話をして家族の安定化を図る「表出的役割」がある。そして子どもは同性の親の価値観や行動様式を身につけ(同一化)、家庭は子どもが社会に適応するための社会化の機能を果たす。

ランドル・コリンズ

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アメリカの社会学者
●著書：『脱常識の社会学』、『資格社会』
●資格社会 Credential Society
教育が普及することで就職のための学歴が引き上げられるようになる。医師や弁護士などの専門職は専門職学校や大学院などを創設することで、大卒を新規参入者の入場切符をして、教育を長期化させた。これにより資本の少ない下層階級出身者を締め出し、教育の長期化に伴う投資が可能な上級階級の子弟によって占有され続ける階級の再生産をもたらしたと考える。(既出)

バジル・バーンスタイン

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コード理論の提唱者。
著書：『言語社会化論』『教育伝達の社会学』など
精密コード(elaborated code)：特定の集団や状況においてのみ伝わる話し方ではなく、より抽象的な話し方をすること
限定コード(restricted code)：ある特定の集団や状況に応じて通じる話し方
学校教育は精密コードを公式言語としているため精密コードに慣れていない労働者階級の子どもが学校に適用できなくなる。これにより上位階層への移動が妨げられ、親になった時にその子どもも同じようなプロセスを経る再生産の構造ができあがると考える。

ボウルズ＆ギンタス

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対応理論 correspondence theoryの提唱者。
アメリカの経済学者。
学校内や教育制度が産業社会の社会関係に対応しているという考え。労働者階級は被支配の現状を受けいれ、教育や育児を通じて規則を遵守し、分相応に努力する人格を子どもたちの中に作り上げるのに対し、資本家階級は好奇心旺盛で自己自律ができ、柔軟な思考を子どもたちに作り上げる。このような学校内や教育制度の社会的関係が産業社会の社会的関係と対応していると考える。

ピエール・ブルデュー

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フランスの社会学者。
著書：『ディスタンクシオン』
関連理論・概念：文化的再生産論、ハビトゥス、文化資本、社会的関係資本、界、など
支配階級の地位の相続を正当化に学校教育の選抜が文化資本のある支配階級出身の子どもが有利に働くようになっており、不平等を再生産していると考える文化的再生産論を唱えた。

マイケル・ヤング

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新しい教育社会学(1971)を提唱。
著書『メリトクラシー』
世襲制に基づく貴族制・アリストクラシーや民衆の多数決に基づく民主制・デモクラシーとは異なり、本人の能力・メリットによって地位が決まる能力主義社会を意味するメリトクラシーという言葉を作った。

ポール・ウィリス

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イギリスの文化社会学者。
著書：ハマータウンの野郎ども
関連概念：反学校文化
"ハマータウン"というイギリスの典型的な労働者の街をモチーフにした街において、労働者階級の子ども(野郎ども)は、学校が一部の支配階級に有利な選抜であるにも関わらず平等に教育機会を提供しているように見せかけて支配階級の権威性に従属することを内面化していくことに反感を抱いて反学校文化を形成して労働者文化へ接続されていく様子をエスノグラフィーのアプローチから描き出した。(既出)

フィリップ・ブラウン

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イギリス社会学者。近代教育選抜は子どもの努力や能力よりも、親の財産と願望に基づくようになっている。「能力＋努力＝業績」というメリトクラシー的方程式が、「資源＋嗜好＝選択」になっていて、本人の業績ではなく富を背景とした親の願望から形成される、というペアレントクラシーの考えを提唱した。

アーヴィング・ゴッフマン

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ドラマトゥルギーの提唱者。人とのつながりは全て役割の演技によって作られている。教師らしく振舞うことと、周囲が教師として認めるようにふるまうことから教師になる、という考え。(既出)

イワン・イリッチ

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オーストリアの哲学者
著書『脱学校化の社会』
脱学校論の提唱者。
●学校化社会Schooling society
学校に行くことが良いことであり、学校拡大は社会問題の解決につながると信じる社会に対し、「何を知る・教えるべきか」ではなく「学習者はいかに学ぶか・学ぶために何を望むか」への配慮のほうが重要であると訴える考え。学校に行く＝教育を受ける、という学校以外での学びの価値が否定化され、提供されるサービス(学校)の消費を目的(教育を受ける)そのものを混同した「価値の制度化」が行われていると批判する。(既出)

フェルディナンド・テンニース

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19世紀末ドイツの社会学者。
ゲマインシャフトとゲゼルシャフトの提唱者。
ゲマインシャフト：共同社会と訳され、地縁血縁で人が緊密に結ばれる社会
ゲゼルシャフト：利益社会と訳され、契約で結ばれる社会。
学校は教育という目標達成のために作り出されたゲゼルシャフト。

チャールズ・クーリー

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アメリカの社会学者
「第一次集団primary group」：自然発生的な相互信頼と愛着に基づいた関係性であり、この関係性から"われわれ感情we-consciousness/we-feeling"という一体感と連帯感を生み出した。

トラビス・ハーシ

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アメリカの社会学者。従来の逸脱研究が"なぜ逸脱するのか"という問いのもと、原因追究がされたが、"なぜ逸脱しないのか"という問いのもと、社会と人々をつなぎとめる絆を明らかにしようとしたボンド理論を提唱した。

マーク・グラノベッター

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アメリカの社会学者。
革新や情報の伝播は、親や兄弟なども身近な人的ネットワークよりも、友人の知り合いなど少し離れたネットワークのほうが効果があると考える弱い紐帯(ちゅうたい)の強さ(strength of weak ties)を ネットワーク理論で提唱した。

ハワード・ベッカー

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アメリカの社会学者。
ラベリング理論の提唱者。
逸脱とは人間行為の性質ではなく、他者によってこの規制と制裁が「違反者」に適用された結果。社会の側が特定の行為を逸脱と判定し、その行為をする者を「逸脱者」とみなすことで、逸脱者が生みだされると考える。ネガティブなラベリングをスティグマと呼ぶ。(既出)

ロナルド・フィリップ・ドーア

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後発効果仮説 の提唱者。近代化する努力を開始する時点が遅いほど急いで先進国に追いつく必要があり、様々な制度や知識を先進国から輸入して追いつこうとする。近代化を推進する人材を急造した近代的学校教育制度の修了者から補おうとすることで学校が立身出世ルートの象徴となり、後発国ほど学歴病に取りつかれる。(既出)

ピティリム・アレクサンドロヴィッチ・ソローキン

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ロシア生まれのアメリカの社会学者。
ハーバード大学社会学部の創設者でもある。
社会移動を社会学的分析の中心テーマにしようとした。社会移動＝複数の社会階層(あるいは階級)や社会カテゴリ(職業など)にまたがる人々の位置の変化。水平的移動と垂直的移動に分けられ、さらに垂直的移動は上昇的移動と下降的移動に分類される。

レイモン・ブードン

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IEO/ISO問題の提唱者。
教育機会の不平等概念を分類するため提唱した枠組み。
IEO問題は進学行動に階級間の違いがあることで，ISO問題は平等化を促すはずの教育を受けても社会的な平等が促進されないことを意味し，それぞれのメカニズムについての説明が必要だと説いた。
IEO問題；inequality of Educational Opportunity進学行動には階級制度が影響あること
ISO問題：Inequality of Social Opportunity 教育を受けても社会的な平等が促されないこと。

A.ラフタリーとM.ハウト

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MMI説Maximally Maintained Inequalityを提唱。
教育拡大が格差を縮めるのは下層階級の上昇スピードが上流階級より早い時だけ。教育拡大は常に上流が先行し、下層が追随、上流階級の進学率が飽和状態になるまで進学機会格差は安定的に維持される。

ジェームズ・ローゼンバウム

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トーナメント移動理論の提唱者。
学校の試験や昇進試験を"トーナメント"に見立てたもの。競争の勝者は「能力の底」を保証され、次の選抜段階に進むことができる。敗者には「能力の天井」が定義され、次の選抜段階に進むことはできない(敗者復活はない)。

W.A.コルサロ

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解釈的再生産(interpretive reproduction)を提唱。
子どもの発達を全体社会の文化を受動的に内面化する過程ではなく、全体社会の文化を主体的に解釈しながら独自の仲間文化を形成し、社会の文化の再生産に関与する過程としてとらえなおしている。

フィリップ・アリエス

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『〈子供〉の誕生』の著者。
前近代社会においては子どもに対して近代社会のように「子どもは大人への準備段階にある未熟な存在」とはとらえておらず、徒弟制度の下で大人社会に仲間入りして「ちいさな大人」とみなされていたことを論じた。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
子ども観の変化
①乳幼児に対する親の愛情と関心の高まり乳幼児死亡率の高かった前近代では子どもの出生や死亡に無関心であったが近年は社会から閉ざされた親密な空間になることで乳幼児＝親の配慮を必要とするかわいがるべき存在とみなされるように。
②少年期を大人とは区別された特別配慮を必要とする時期とみなすようになった。前近代では幼児期をすぎた子どもは徒弟制度のもとに大人社会の仲間入りをすでにして「ちいさな大人」であったが、大人へと形成される準備期間ととらえるようになった。乳幼児期の子どもは死亡率も高く、間引きや、葬儀が行われないなどからも乳幼児への無関心の表れ。乳幼児期以降の子どもは貴重な労働力としてみなされていた。

Rブリーン ・ J.ゴールドソープ

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相対的リスク(Relative Risk Aversion:RRA)回避説の提唱者。
上流階級は進学しないと上流階級でいられないので進学する。中流以下は進学後の失敗に伴う下層階級への脱落リスクを冒すより現状維持を優先し無理に進学しようとしない。こうして階級間の格差が維持される。

ミシェル・フーコー

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20世紀フランスの哲学者。
著書：『監獄の誕生ー監視と処罰』
パノプティコンから教育にも監獄と同様の権力が働いているとした。教師は教壇から生徒を一望して、生とは常に教師から見られていることを意識して主体的に規範を内面化するようになり、パノプティコンの囚人同様に、更生され社会化されるその方向性が権力的であると論じた。

ブラウ＆ダンカン

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地位達成モデルの提唱者。
親の職業と親の教育が本人の教育に影響し,親の職業と親の教育と本人の教育が本人の初職に影響し,親の職業と親の教育と本人の教育と本人の初職が本人の現職に影響すると考える。

ニール・ポストマン

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アメリカのメディア学者。
著書：『子どもはもういない』
従来は活字メディア主体で文字能力を身につけた大人だけが情報に触れることができ、大人が子どもに教えるという上下関係があったが、テレビの普及により誰もが情報にアクセスできるようになり子ども期は消滅していくと論じた。

ジョン・デューイ

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アメリカの哲学者であり教育思想家でもある。従来の教師中心主義・教科万能主義を批判し、子どもの自発性を尊重する児童中心主義に立ち進歩主義教育(progressive education)を確立した。

ウルリッヒ・ベック

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ドイツの社会学者。
著書：『グローバル化の社会学』
本来人間が自ら作り出し、自らの責任に帰するもので、予見や制御が可能であったリスクが、グローバル化など近代社会の変容によって、予想も制御もできなくなり、世界的な規模で広がり収集がつかなくなるような性質を持つようになったリスク社会理論を提唱した。 (既出)

ハート＝ネグリ（マイケル・ハート＆アントニオ・ネグリ）

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共著『〈帝国〉』『マルチチュード』
帝国＝グローバリゼーションによる国民国家衰退によって登場した超国民的国際的政治秩序。
マルチチュード＝帝国の中で生まれ、帝国にとってかわるオルタナティブ・新しい社会の担い手・ネットワーク。

ルイ・アルチュセール

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フランスの哲学者。
著書：『再生産について』
社会が安定的に再生産されるのは学校などの教育機関(国家のイデオロギー装置)を通じて不平等や格差の存在に関わらずこの社会を正当なものとして受け入れているから。学校は国民教育によって社会の不平等や格差を隠蔽し正当化する働きを持っている。

ロバート・ジェームズ・ハヴィガースト

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アメリカの心理学者。
人生を年齢による分類分けを行った。
①乳・幼児期②児童期③青年期④壮年期⑤中年期⑥老年期に分けて各期間に人間が果たすべき「発達課題developmental task」を列挙するという画一的なライフサイクルの発想があり、その課題を立派に成就すれば個人は幸福になり、失敗すれば個人は不幸になり社会に認められずその後の課題達成も困難になると考えた。
しかし現在はライフスタイルが多様化し、年齢規範に揺らぎが見えこの理論は当てはまらなくなっている。

ウィラード・ウォーラー

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米国の社会学者。学校社会学の創始者。
著書『学校集団』
人格的指導者と制度的指導者を対比して近代学校制度の担い手である教師がおかれた社会的地位について論じる。人格的指導者とは指導者の人格を基盤に学習過程を成立させる関係性を意味する。教師の多くは制度的指導者で、学校のような特定の目標を持って構成される組織で制度が付与する社会的役割によって生み出される。一定の権威主義に陥る。しかしウォーラーは否定的には捉えておらず、だからこそ生徒の人格形成のために献身すべきとしている。

シコレル＆キッセ

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著書：『だれが進学を決定するのか』
大学進学に対して解釈的アプローチから学校内部の過程を調査することで生徒の進学にはその生徒の成績や学力ではなく属性などに対する教師の解釈も影響していることを明らかにした。中流家庭以上の子どもであれば成績が悪くても「アンダーアチーバー」と類型され、もっと可能性があると判定されるが、低収入家庭の子どもにはそのような配慮がなく。社会移動の水路分岐の過程で属性要因の密輸されていることを発見した。

レイ・リスト

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解釈理論の論者であり、教師が生徒集団を「最もできる・できない」のグループ分けをする際に、学力や能力によって選抜しているのではなく、出身階級などの属性によって行われていることを論じた。

ケネス・ライター

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解釈理論の論者であり、教師による生徒の能力別分類化作業は支配集団からの要請(葛藤理論)や、能力のあるものを探索するための機能でもなく、大勢の生徒を教えるためには生徒を類型化し教室の仕事を秩序付けなければならないことに注目し、社会的類型化によって教師は教室世界に統制と秩序を与えたと論じた。

トマス・クーン

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パラダイムの提唱者であり、パラダイムとは本来の意味としては、他方で対立している研究活動を研究者が放棄するほど特異性があり支持を得る業績があり、その業績をもとに集まった研究者に解決すべき問題を提示することができるものをさすが、現在ではある時代の研究者に共有され、支配的な思考の枠組みのことを指す。

マイケル・ギボンズ

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知的生産のモード(様式)について提唱し、モード1は大学を拠点にしたアカデミズム科学的な研究のあり方で知的生産は大学人の専売特許とされ、モード2の知的生産では研究者は研究費のスポンサー(企業や納税者)への説明責任が求められ、大学が知的生産の主要拠点となりつつも実践的な課題に取り組むことが求められるという分類を論じた。

B・クラーク

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トライアングルモデルの提唱者し、大学の調整と統合のメカニズムを
①大学寡頭制
②国家権威
③市場
の観点から立ち位置を見ることができるとした。

メアリー・ダグラス

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イギリスの文化人類学者。グループ・グリッド分析の提唱者。グループとは社会においてある共通の境界線を有した経験の度合いが個人に与える圧力の強弱を示し、グリッドとは個人が押し付けられる分類体系の強弱を示し、グループとグリッドのそれぞれの強弱によって4象限に分類しようとした。

レイモンド・マーフィ

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社会的閉鎖理論の論者。葛藤理論のカテゴリーを階級だけに係わらず、教育資格・ジェンダー・人種・宗教などまで拡大されていることを注目した。さらにある集団には奪取戦略、ある集団には排除戦略というふうに二重の戦略図式になっており、これが中間階級の微妙な戦略あるいは労働者階級内の対立を解明する手がかりを与えるとした。

アマルティア・セン

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インドの経済学者で、アジア初のノーベル経済学賞受賞者。ケイパビリティアプローチや人間の安全保障を提唱した。ケイパビリティとは各個人の達成可能な生き方やとりうる行為の幅を指す。社会的基本財は各個人のケイパビリティを高めるような形でこそ配分されるべきと述べた。

ラルフ・ターナー

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庇護移動と競争移動を提唱した。
庇護移動では学校教育の早い段階で出自や階級をもとにエリート候補が選抜されて特別の教育が実施され庇護的なエリートコースが設定される。
競争移動では属性に関係なく競争による社会移動が優位で選抜や配分はすべての競争が行われた後になされると考える。

ロバート・パットナム

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アメリカの政治学者。
著書『孤独なボウリング-米国コミュニティの崩壊と再生』
『われらの子ども―米国における機会格差の拡大』
"社会関係資本・ソーシャルキャピタル"の概念を社会科学、一般社会へ普及させた。ソーシャルキャピタルとは人々の協調行動を活発にすることによって社会の効率性を高めることのできる、「信頼」「規範」「ネットワーク」といった社会組織の特徴、とした。

ジョルジョ・アガンベン

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イタリアの思想家。
著書『ホモ・サケル』
ホモ・サケル(homo sacer"聖なる人間")とは、古代ローマの法律で殺害しても罪を問われず、神々への生贄にも用いることのできない人間で、宗教からも法律からも締め出された存在のことあり、現代はグローバル化よって国境を越え、国民国家から締め出され遺棄された難民化した人々のこと。

ジョージ・リッツァ

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マクドナルド化社会の提唱者。ファストフード店に取り入れられている合理的経営方法が教育、政治など様々な場面で取り入れられていると考える。

フィリップ・ジャクソン

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隠れたカリキュラムの提唱者であり、 隠れたカリキュラムとは主として学校において、表立って語られることはなく、暗黙の了解のもとで潜在的に教師から生徒へ伝達されるところの規範、価値、信念の体系である。

アンソニー・ギデンズ

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構造化理論、ハイモダニティ：再帰的近代などの提唱者。
構造化理論において、構造とは社会システムを再生産するための規則と資源あり、同時に人間の行為の条件と帰結であり、社会システムの構築には構造を条件としながら同時に構造は社会システムによって再生産される構造の二重性があり、このように構造が作られる過程を構造化理論とした。

ジグムント・バウマン

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「液状化社会；リキッド・モダニティ」の提唱者。
従来の近代社会はコミュニティや企業に個人が埋め込まれ一定的な秩序があった近代(ソリッドモダニティ)であったが、現代ではそのような集団が解体され個人化が加速し、人々がよりどころにできる固定的なものは何一つなく、常に流動的で変化し続けることが求められる液状化した社会となっていると論じた。

ロバート・マートン

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自己成就的予言(self-fulfilling prophecy既出)の提唱者。
実際にそうなるか分からない根拠のない思い込みがや認識、想定が先行することで、その後の行動を規定し、その行動がそれらの思い込みを現実のものにしてしまうようなことを指す。

ヘンリー・ジルー

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批判的教育学の第一人者。
学校は従来の再生産論が論じるように社会の支配体制がそのまま再生産されるのではなく、実際は生徒や保護者、教師からの抵抗、レジスタンス行動が存在する、政治的な場でありかつ文化的闘争の場でもあると考え、学校がどのような価値に基づいて政治的闘争が行われているかという点に着目して論じた。

リサ・デルピット

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支配文化を「力の文化（the culture of power）」と呼んで，被支配的な位置にある人々の社会的解放がある程度実現されるまでは，そうした文化的 要素の教育を有色人種にも施すことの重要性を訴える。

社会人のための東京大学大学院入試対策をnoteで公開しています

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