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社会人は大学院対策ブログで“誰が書いているか”に注意

社会人は大学院対策ブログで書き手の属性に注意

大学院入試・院試は情報戦と例えられているくらい情報収集が重要です。

しかし、そもそもネット上に大学院入試・院試の情報が少なく、

社会人となるとさらに少なく、

東大大学院関連のブログは数えるほどしかありません。

かく言う私も社会人で大学院入試・院試の情報が乏しく苦労しました。

中でも困ったのは書き手によって伝える内容が全然異なり、

参考にならないことです。

大学院は大学入試のように典型的パターンがないことが要因でもあります。

この記事では社会人が大学院入試・院試の対策でブログを参考にする時に

注意するポイントをお伝えします。

東大の大学院に関しては

アラフォーで東大大学院の教育学研究科に入った私の体験をご参考ください。

※当ブログの記事には広告が含まれています。

この記事の書き手の情報 

大学院入試の対策のブログは書き手の属性に注意、ということで、

私の属性を先にご紹介しておきます。

進学先:東京大学大学院 教育学研究科 比較教育社会学コース

高校:進路のほとんどが専門学校進学。大学もせいぜい大東亜帝国レベル

大学:偏差値50ちょっとの私立大学の英文学部(現役で入学)

入学方法:一般入試(センター試験利用)

卒論:経験なし。ついでにゼミもない(担当教官が途中で他大学に行った)

小論文:経験なし

社会人経験:15年ちょっと。仕事は専攻とほぼ関係ない

語学レベル:留学経験なし。10年近く前にTOEIC800点ちょっと、独学

社会人が大学院入試関連ブログを参考にする時はこの表現に要注意

大学院入試の対策に関する情報はないわけではありません。

ただし、あまりに前提が記述されていない内容もあり、鵜呑みにできません。

例えば以下のような表現です。

要注意ワード①”東大の大学院は簡単”

これは何と比較して簡単と言っているのか?注意が必要です。

東大大学院入試は大学入試の東京大学と比べると楽、であることは確かです。

東京大学の大学入試は文系では、

・共通テスト(旧センター試験)で5教科8科目

・2次試験で4教科5科目

これらで高得点を獲得しなければなりません。

地方の高校生であれば一度は全国模試上位ランクイン経験者で、

その高校・地域でトップの成績優秀者であることも多いでしょう。

この圧倒的なまでの出題範囲に比べると、

東大の大学院は英語(コースによっては第2外国語も)と専門科目、面接だけなので簡単と言えます。

しかしその内容が簡単か?と言われると、社会人の私には難問でした。

大学院は内部進学者、つまり現役の東大生が多いので、

そのような人からすると大学入試に比べれば圧倒的に楽、

ということかもしれません。

要注意ワード②“大学院院試は2ヶ月の対策で合格できた”

ブログを見ていると2,3か月の対策で合格している人が割と多く、

それを信用すると社会人は院試には失敗すると思ったほうがいいです。

この前提には「現役生であれば」ということが抜けています。

現役生であれば大学院入試は大学4年時からの対策ということになります。

多くの学生にとって4年次はほぼ単位を取り終わって授業がないでしょう。

就活するか迷ったり、卒論の準備や教職課程の教育実習、バイトなどがあったとしても

自分の時間を大学院入試に全集中できるので1日8時間以上勉強できるかもしれません。

加えて相談相手の教員もいることが多いですね。

一方で、多くの社会人は週5日、通勤合わせると12時間近く拘束され、

その間は勉強ができません。人によっては私のように、それに加えて家事育児があります。

睡眠時間を削らない限り、どうやっても1日4、5時間程度が限度でしょう。

20代であれば睡眠時間を削っても頑張れるでしょうが、

アラフォーの私は途中でしんどくなり、1日3,4時間の確保が限界でした…。

そのブログの書き手は内部生か?外部の大学生か?社会人か?

社会人の大学院入試には社会人の実際の体験が最も参考になります。

学生であれば担当教員や先輩などのネットワークがあります。

数ある大学院入試関連のブログでも、

小論文と研究計画書まで踏み込んだ内容は少ないのは、

その書き手の学生が所属の大学の教授などに見てもらってかなり具体的に指導されている、

つまりブログで公に出すには限定的すぎるからなのかもしれません。

外部の社会人としては具体的な勉強方法や対策が知りたいところですが、

肝心のその部分が結局よく分からずじまいです。

大学院入試・院試は英語にせよ専門科目にせよ、

総合的な理解力が必要、とまとめられたり、アドバイスされることがあります。

確かにそうなのですが、取り組み内容の抽象度が上がるほど外部の人には把握しずらく、

能力というより情報量(コネ、研究者の文化への近さ)で勝敗がつくようになってしまいます。

そのブログで伝える大学院入試は社会人枠か?一般枠か?

私立の大学院には社会人向けの選抜枠もしくはカリキュラムが提供されていて、

面接のみ、というものもあります。

例えば東大大学院も独自の筆記試験はなくともTOEFL受験が必須だったり、

社会人特別選考枠がごく限られたコースのみで実施されたり、

(経済学研究科であれば数量ファイナンスコースのみ)

社会人であってもガチで筆記試験を受けなくてはいけませんので

どの入試枠で入る大学院のことを紹介しているか、ということも見ておきましょう。

筆記と口述試験(面接)と言ってもパターンがあります。

・1次筆記試験合格者のみに口述試験が実施される

・筆記試験と口述試験が同日に実施される

・筆記試験と口述試験は別日で実施されるが、2つをまとめた成績で判断される

…対策の打ち方が全く異なりますよね。

このような前提を飛ばして知恵袋などでは

理工系の人が文系コースに対してアドバイスしていたり、

その逆がされていたりしています。

大学院経験者だからもっともらしく聞こえますが、

実際の試験はコースによって状況が大きく異なる、ということです。

社会人が学びやすいビジネス系大学院など、大学大学院情報満載!

そのブログの東大大学院は文系か?理系か?

東大の大学院だけではありませんが大学院の入試は志望するコースによって

試験内容が全く異なります。

参考:東京大学公式HP「大学院入学者選抜方法の概要

理工学系の専門科目は数学や科学になることは当然として、

英語についてもTOEFL使用、オリジナルの英語問題で分かれます。

その大学院独自の問題についても、内容は専門科目に紐づいたものになっており、

全文和訳や和文英訳、要約問題など様々です。

特に理系は内部学生の進学が多いため専門科目についてほとんど触れてなかったり、

面接もごく短いものになっている印象を受けるような記事があります。

これらの情報は、外部出身で社会人の私には全く参考になりませんでした。

そのブログの東大大学院とはどのコースのことか?

大学院の研究は専門性の高さゆえに、

同じ研究科であってもコースが違えば入試の出題も大きく異なります。

教育学研究科も出題が英語、専門科目、口述試験、

という大枠はどのコースも同じであっても、

比較教育社会学コースと臨床心理学コース、身体教育学では、

専門科目の内容は全く違います。

教育学研究科でおそらく一番人気の臨床心理学コースですが、

そこですら院試の対策情報は少ないです。

ただし、教育学研究科の出題はコロナ以降、

英語の内容はより専門コースごとの出題になっており、

これはある意味対策が取りやすくなったと言える変更で、

適切な情報があれば勉強の効率は上げられるでしょう。

とはいっても、コロナ以降、従来は全文和訳だけだった出題が

英作文や要約問題も出てきて、傾向が掴みにくい状況です。

大学院入試は情報戦。

情報ネットワークから最も遠いところにいる社会人は

院試対策にあたって常に不利に立たされていて、

情報収集には時間がかかります。

この記事で紹介したことを元に、自分に合った情報源を選択していきましょう。

スタディサプリでは社会人向けの大学院が載ってるので

まだ漠然と大学院進学を考えているなら東大の大学院に絞らず、

自分のキャリアや興味にそったものを探してみるといいですよ。

「ゼロから始める社会人の東大大学院合格対策」noteで限定公開中!

アラフォー子育て中で20年ぶりの受験勉強で東大大学院に合格した経験をもとに、社会人が東大大学院に合格するための対策を網羅した記事をnoteで公開しています。英語、小論文、研究計画書、面接、どれも情報が不足しがちな社会人の東大大学院入試対策に是非参考にしてみてください。

【3万文字】0から始める社会人の東大大学院合格対策(教育学研究科)|チャロ@超高齢社会の案内人|note

この記事では知識ゼロの状態のアラフォーで保育園児育児中(フルタイム勤務)社会人の私が東大の大学院(教育学研究科・比較教育社会学コース)に合格した経験をもとに、同じように社会人で大学院の進学を考えている人の参考になるための対策を書いています。 ・合格までのスケジュール ・利用した参考書 ・勉強方法・試験対策 ・論述問題・小論文の模擬試験解答&研究計画書フォーマットサンプル ・試験当日、面接の内容


 

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